施工管理の現場が暑い理由と効果的な対策|労災リスクから転職先選びまで徹底解説

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建設情報コラム

2026-02-10

施工管理の現場が暑い理由と効果的な対策|労災リスクから転職先選びまで徹底解説
施工管理の仕事をしていると、夏場の暑さは本当に堪えますよね。
炎天下の現場では体感温度が40℃を超えることも珍しくなく、ヘルメットの中は蒸し風呂状態…。「この暑さ、いつまで耐えられるだろう」と不安になる方も多いのではないでしょうか。

実は、建設現場の暑さは単なる不快感だけでなく、労災リスクや法的責任とも密接に関わる重大な問題です。
本記事では、施工管理の暑さの実態から最新の法制度、そして効果的な対策まで徹底解説します。

暑さに悩む施工管理者の方、転職を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

施工管理が暑い理由と労災・法的リスクの全容

建設現場の暑さは、他の屋外作業と比較しても特に過酷な環境にあります。
ここでは、データに基づく暑さの実態と、それに伴う労災リスク、そして2025年6月から義務化された最新の法制度について詳しく解説していきます。

暑さを「我慢するもの」として捉えている方も多いかもしれませんが、実は法的にも企業側に責任が問われる重要な問題なのです。

施工管理の年収についての情報はこちらの記事で解説しています。
気になる方はチェックしてみましょう。
施工管理,暑い

データで見る建設現場の暑さの深刻度

建設現場の暑さは、数字で見るとその深刻さがよく分かります。
厚生労働省の「令和3年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況」によれば、2021年の職場での熱中症死傷者数は561名、そのうち建設業就業者は157名で全体の約28%を占めています。

さらに死亡者数に至っては、全体20名のうち9名が建設業で、実に45%にも達しているのです。
なぜ建設現場はこれほど暑いのでしょうか。主な要因は以下の通りです。
  • アスファルト・コンクリートの照り返し:舗装工事などでは地面からの輻射熱により、体感温度が気温より10℃以上高くなることも
  • 密閉空間での作業:建設中の建物内部は空調がなく、熱がこもりやすい環境
  • 長袖・長ズボン・ヘルメット着用義務:安全のため必須だが、通気性が悪く体温上昇の原因に
  • 工種による違い:土木(舗装・橋梁工事)は屋外で特に過酷、建築でも躯体工事は暑さとの戦い
製造業や農業など他の業種と比較しても、建設業の熱中症リスクは突出して高く、命に関わる深刻な問題となっています。
※出典:厚生労働省「令和3年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況」

熱中症の労災認定基準と企業の安全配慮義務

建設現場で熱中症になった場合、労災認定される可能性があることをご存知でしょうか。
労災認定されれば、治療費の全額負担や休業補償、障害が残った場合の障害補償などが受けられます。
熱中症が労災と認定されるには、以下の条件を満たす必要があります。
判断項目 認定のポイント
業務起因性 業務中に発症したこと、作業環境や時間帯が高温多湿であったこと
予防措置の有無 企業が適切な暑さ対策(休憩、水分補給など)を講じていたか
医学的因果関係 熱中症の症状と業務との関連性が医学的に証明できること
   
一方、企業側には労働契約法第5条に基づく「安全配慮義務」が課せられています。
これは、労働者が安全で健康に働けるよう配慮する義務のことです。適切な暑さ対策を講じずに労働者が熱中症になった場合、企業は民事上の損害賠償責任を問われる可能性があります。

過去の判例では、熱中症で死亡した作業員の遺族に対し、数千万円の賠償命令が出たケースもあるのです。
また、建設業法においては、元請企業は下請作業員に対しても安全配慮義務を負うとされており、責任の範囲は自社社員だけにとどまりません。
暑さ対策は単なる「福利厚生」ではなく、法的義務であることを理解しておきましょう。

2025年6月から義務化された熱中症対策のルール

建設業界にとって大きな転換点となったのが、2025年6月に施行された労働安全衛生規則の改正です。
これにより、一定の条件下での熱中症対策が法的に義務化されました。
具体的な義務内容は以下の通りです。
  • WBGT(暑さ指数)28度以上での対策実施:気温だけでなく湿度や輻射熱を考慮した指標
  • 連続作業時間の制限:高温環境下では適切な休憩時間を設ける
  • 休憩場所の確保:日陰や冷房設備のある休憩所の設置
  • 水分・塩分の提供:経口補水液や塩分タブレットの常備
  • WBGT測定の実施:測定器による定期的なモニタリング
WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)とは、気温、湿度、輻射熱を総合的に評価した暑さの指標で、28度以上になると熱中症の危険性が高まるとされています。
違反した場合、労働基準監督署から是正勧告を受けるだけでなく、悪質なケースでは企業名の公表や罰則が科される可能性もあります。
中小企業に対しては一定の猶予期間が設けられていますが、いずれ全ての建設現場でこの基準を満たす必要があるでしょう。
この法改正により、建設業界全体で暑さ対策への意識が大きく変わりつつあります。

個人でできる効果的な暑さ対策5選

暑さ対策の基本は、まず自分自身で実践できることから始めることです。
会社の制度や設備が整っていなくても、個人レベルでできる対策はたくさんあります。
ここでは、今日からでも取り組める実践的な暑さ対策を5つご紹介します。

これらを組み合わせることで、熱中症のリスクを大幅に下げられるはずです。

施工管理の現場で必要な道具については、こちらの記事で解説しています。
施工管理,暑い

1. 空調服・ヘルメットインナーの活用

空調服(ファン付き作業着)は、もはや夏場の建設現場では必需品となっています。
選ぶ際のポイントは、バッテリー容量と風量の大きさです。最近では24Vのハイパワーバッテリー搭載モデルも登場しており、一日中快適に作業できるようになりました。

会社支給がない場合、自己負担で購入する価値は十分にあります。
価格は1万円〜3万円程度ですが、熱中症で倒れて仕事を休むリスクを考えれば、決して高い投資ではないでしょう。
ヘルメットインナーも効果的なアイテムです。

吸汗速乾素材で頭の蒸れを防ぎ、水で濡らして使うタイプなら気化熱で頭部を冷やせます。

2. 首元・脇の下の冷却を最優先

人間の体には太い血管が通っている部位があり、そこを冷やすことで効率的に体温を下げられます。
特に効果的なのが以下の3箇所です。
  • 首筋(頸動脈)
  • 脇の下(腋窩動脈)
  • 太ももの付け根(大腿動脈)
ネッククーラーや冷却スプレーを使って、これらの部位を重点的に冷やしましょう。
冷却スプレーは応急処置に最適で、コンビニでも手軽に購入できます。

3. 経口補水液・塩分補給のタイミング

水分補給の鉄則は「喉が渇く前に飲む」ことです。
喉の渇きを感じた時点で、すでに脱水症状が始まっていると考えてください。
おすすめの飲み物は、経口補水液や麦茶です。

一方、コーヒーやお茶は利尿作用があるため、かえって脱水を招く可能性があります。
炭酸飲料も糖分が多く、熱中症対策としては適していません。
塩分補給には、塩飴や塩分タブレットが便利です。
汗とともに失われた塩分を補給することで、体液バランスを保てます。

4. 前日の生活習慣が勝負を分ける

翌日の暑さ対策は、実は前日の夜から始まっています。
特に注意したいのが以下の点です。
項目 推奨事項 理由
飲酒 控えめにする 利尿作用により翌朝の脱水リスクが高まる
睡眠 6時間以上確保 睡眠不足は体温調節機能を低下させる
エアコン 28℃前後に設定 快適な睡眠環境で疲労回復を促進
朝食 必ず食べる ミネラル補給とエネルギー確保
   
また、朝食では汗で失われるミネラルを含む食材(バナナ、ヨーグルト、味噌汁など)を意識的に摂取しましょう。

5. 体調管理シートの自己チェック

大手企業では、毎朝の体調管理シート提出が義務化されていますが、個人でも同様のチェックを習慣化することをおすすめします。
チェック項目は以下の通りです。
  • 体温(37℃以上は要注意)
  • 睡眠時間(6時間未満はリスク増)
  • 朝食の有無
  • 前日の飲酒量
  • 下痢や発熱などの体調不良
これらのセルフチェックで異常があれば、無理せず休むか、軽作業に切り替えるなどの判断ができます。
自分の体調を客観的に把握することが、熱中症予防の第一歩なのです。

暑さ対策がしっかりしている会社の見分け方

転職や就職活動をする際、暑さ対策の充実度は企業選びの重要なポイントになります。
同じ施工管理の仕事でも、会社によって対策のレベルは天と地ほどの差があるのが実情です。

ここでは、面接や職場見学の段階で確認すべきポイントと、求人票からも読み取れる企業の姿勢について解説します。
安全意識の高い企業を見極めることが、長く働ける職場を見つける鍵となるでしょう。

施工管理からの転職の選択肢として発注者支援業務を検討している方には、こちらの記事がオススメです。
施工管理,暑い

面接・職場見学で聞くべき質問

遠慮せず、具体的に質問することが大切です。以下のような質問が効果的でしょう。
  • 「夏場の熱中症対策として、具体的にどんな取り組みをしていますか?」
  • 「休憩時間や水分補給のルールはどうなっていますか?」
  • 「空調服などの支給制度はありますか?それとも自己負担ですか?」
  • 「過去に熱中症で倒れた事例はありますか?その後、どのような改善策を取りましたか?」
これらの質問に対して、具体的かつ誠実に答えられる企業は、安全管理への意識が高いと判断できます。
逆に曖昧な回答しか得られない場合や、「根性で乗り切る」といった精神論を持ち出す企業は要注意です。

求人票・企業HPでチェックすべき項目

確認項目 チェックポイント
安全衛生管理の記載 HPに具体的な取り組み事例が掲載されているか
設備投資 WBGT測定器、空調服、休憩所設置などの記載
認定・表彰 厚生労働省「安全優良企業(Gマーク)」認定、建災防の表彰歴
福利厚生 熱中症対策グッズの支給、健康診断の充実度
   
特に「安全優良企業(Gマーク)」の認定を受けている企業は、労働災害の防止に積極的に取り組んでいる証拠です。
また、建設業労働災害防止協会(建災防)からの表彰歴も、安全管理への本気度を示す重要な指標となります。

大手 vs 中小企業の実態

大手ゼネコンや準大手企業では、一般的に以下のような対策が標準化されています。
  • 体調管理シートの毎朝提出
  • 30分に1回の強制休憩ルール
  • 専任の安全管理者の配置
  • WBGT自動測定システムの導入
一方、中小企業は対策の格差が大きいのが実情です。
ただし、良心的な中小企業もたくさん存在します。重要なのは、社長や現場所長の安全意識の高さです。
面接時に直接会話することで、その姿勢を確認しましょう。
中小企業でも、以下のような取り組みをしている会社は信頼できます。
  • 簡易テント+クーラーボックスでの休憩所設置
  • 早朝施工や夜間工事へのシフト
  • 猛暑期(7〜8月)の休工制度導入
予算が限られる中でも、工夫して安全を確保しようとする姿勢が見られる企業は、働く価値があるといえるでしょう。

現場種別による暑さの違い

同じ施工管理でも、担当する現場の種類によって暑さは大きく異なります。
  • 比較的マシ:屋内建築(空調設置後の内装工事)、改修工事
  • やや過酷:建築躯体工事、設備工事
  • 特に過酷:土木(舗装工事、橋梁工事)、屋外建築の基礎工事
   
自分の体力や暑さ耐性を考慮して、希望する工種を明確にした上で求人を探すことをおすすめします。
面接時に「主にどのような現場を担当することになりますか?」と具体的に確認することも忘れずに。

暑さで辞める前に検討すべき3つの選択肢

「もう限界…辞めたい」と思ったとき、即座に退職を決断する前に試してほしいことがあります。
実は、同じ会社でも働き方や配属先を変えるだけで、暑さの問題が解決することも少なくありません。
ここでは、退職以外の選択肢として検討すべき3つの方法をご紹介します。
これらを試してもなお改善が見られない場合に、初めて転職を本格的に考えても遅くはないでしょう。

施工管理の将来性について知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみましょう。
施工管理,暑い

1. 配置転換・担当現場の変更を相談

同じ会社でも、現場が変われば環境は激変します。
例えば、土木から建築への異動、屋外現場から屋内現場への変更などが考えられます。
「暑さに弱いので」と正直に伝えることは、決して恥ずかしいことではありません。

むしろ、自分の適性を理解している証拠です。
企業側も、優秀な人材を失うより配置転換で対応できるなら、その方が望ましいと考えています。
実際に配置転換を申し出る際は、以下のような伝え方が効果的です。
  • 「夏場の暑さで体調を崩しやすく、業務に支障が出る前に対策したい」
  • 「屋内現場や改修工事など、暑さの影響が少ない現場への配置を検討いただけないでしょうか」
  • 「土木の経験を活かしつつ、建築分野にもチャレンジしてみたい」
また、夏場だけ屋内現場を希望する「季節的配置転換」を認めている企業も増えてきました。
上司に相談してみる価値は十分にあります。

2. 働き方の見直し(時間帯・勤務形態)

暑さを避ける最も効果的な方法は、暑い時間帯に働かないことです。
以下のような働き方の選択肢があります。
働き方 特徴 メリット・デメリット
早朝施工
(5時〜14時)
最も暑い午後を避けられる 朝は涼しく作業効率◎。夕方からプライベート時間確保
夜間工事専門 都市部の道路工事など 暑さとは無縁。生活リズムの調整が必要
派遣・契約社員 夏場は契約しない選択も 7〜8月は休める。収入は減少
リモート併用 大手企業に多い 書類作成や調整業務を在宅で。現場出勤を減らせる
これらの働き方は、会社によって対応可否が異なりますが、人手不足の昨今、柔軟な働き方を認める企業は増えています。
まずは上司に相談してみることをおすすめします。

3. 他職種への転職を視野に入れる場合

どうしても暑さに耐えられない場合、施工管理の経験を活かせる暑さと無縁の職種への転職も選択肢の一つです。
施工管理の経験が活きる職種としては、以下のようなものがあります。
  • CADオペレーター:完全屋内のデスクワーク。図面の読解力と施工知識が活かせる
  • 積算・見積担当:オフィス勤務中心。原価管理経験と工事の流れ理解が武器に
  • 建設コンサルタント:発注者支援や計画立案業務。施工管理の実務経験が高評価
  • 不動産管理・ビルメンテナンス:建物管理と設備点検。建築知識とトラブル対応力が重宝される
   
転職エージェントに相談する際は、「暑さを避けたい」というニーズを明確に伝えましょう。
施工管理技士の資格は転職市場で高く評価されるため、選択肢は思った以上に広がるはずです。

まとめ:施工管理の暑さは正しい知識と対策、職場選びで克服できる

施工管理,暑い
施工管理の仕事における夏の暑さは、確かに過酷な問題です。
しかし、それは決して「我慢するしかないもの」ではありません。

本記事で解説してきたように、暑さは「管理」と「職場選び」で十分に対処可能なのです。
2025年6月からの法改正により、企業側にも熱中症対策が義務付けられました。この機会に、業界全体の意識が変わりつつあります。

個人でできる対策(空調服、水分・塩分補給、前日の生活習慣など)を徹底し、転職・就職時には暑さ対策の充実度を必ず確認しましょう。
暑さ対策がしっかりしている企業は、安全管理全般への意識も高く、長く働ける環境である可能性が高いのです。
もし今の職場環境に限界を感じているなら、辞める前に配置転換や働き方の見直しを検討してみてください。
それでも難しい場合は、施工管理の経験を活かした別職種への転職も視野に入れましょう。

施工管理技士の資格と経験は、転職市場で高く評価される貴重な武器です。
暑さに負けず、賢く選択することで、充実したキャリアを築いていけるはずです。
あなたの健康と安全を第一に、最適な働き方を見つけてください。

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