発注者支援の新常識!「脱炭素・GX」を知らないと生き残れない理由

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建設情報コラム

2026-01-27

発注者支援の新常識!「脱炭素・GX」を知らないと生き残れない理由
「建設業界=3K」というイメージは、もはや過去のものとなりました。

時は2026年。
今、建設現場で最も熱い視線を浴びているのは、一級土木施工管理技士の資格そのものよりも、「どれだけ地球環境に配慮して工事ができたか」という実績なのです。国や自治体といった発注者は、インフラ整備における「環境(GX:グリーントランスフォーメーション)」を最重要課題と位置づけ、現場技術者にも高度な環境管理スキルを求めています。

この記事では、2026年の新常識となった「脱炭素・GX」のトレンドを紐解き、発注者支援業務(公共工事の発注者をサポートする仕事)で生き残り、さらには市場価値を飛躍的に高めるための具体的な戦略をお伝えします。未来の建設業で「ヒーロー」になるためのチケットを、ここで手に入れましょう。
発注者支援業務の基礎知識や具体的な役割に関しての詳細はこちらの記事をご覧ください。
GXに配慮した設計を行う施工管理

建設現場が「緑」に変わる?:今、国が必死に進めている「GX」ってなに?

かつて、建設業の役割といえば、頑丈な構造物を安全に、そして工期内に作り上げることが全てでした。しかし、2020年10月のカーボンニュートラル宣言以降、その常識は音を立てて崩れ去り、2026年現在では「GX(グリーントランスフォーメーション)」への対応ができない企業や技術者は淘汰される時代に突入しています。

GXと建設産業のパラダイムシフト

「2050年カーボンニュートラル」や「2030年度温室効果ガス46%削減」という国の野心的な目標達成のため、建設業界はまさに主戦場となっています。なぜなら、資材の調達から施工、運用、そして解体に至るまでのライフサイクル全体で、建設業は大量の資源とエネルギーを消費する産業だからです。

今、現場で起きているのは単なるルールの変更ではありません。「構造物を作る」ことから「地球環境に配慮し、持続可能な社会基盤を形成する」ことへ、産業の目的そのものが変わるパラダイムシフトなのです。
国土交通省の環境行動計画に見る3つの柱
  • 脱炭素社会の実現:インフラのライフサイクル全体でのカーボンニュートラルを目指します。
  • 循環型社会の実現:建設副産物のリサイクルを推進し、その質を向上させます。
  • 自然共生社会の実現:グリーンインフラを活用した地域づくりを行います。

2026年現在の政策動向:グリーンインフラの主流化

特に注目すべきは、2026年1月に策定された「グリーンインフラ推進戦略2030」です。これにより、コンクリートなどの人工構造物(グレーインフラ)だけに頼るのではなく、自然が持つ多様な機能を活用する「グリーンインフラ」が社会実装のフェーズに入りました。
グリーンインフラの具体例
  • 雨水貯留・浸透:雨水をコンクリートで素早く流すのではなく、地面に染み込ませて洪水を防ぐ。
  • 熱環境の緩和:都市公園や緑化によって、ヒートアイランド現象を抑え、CO₂吸収源を確保する。
これからの発注者支援業務では、単に図面をチェックするだけでなく、雨水の循環や植栽計画まで考慮した「自然と調和した施工」を管理する視点が求められるのです。

地域ぐるみでの脱炭素経営の加速

この波は、大企業だけの話ではありません。2026年においては、サプライチェーン全体での脱炭素化が強く要請されており、地域の中小建設業者にとっても「脱炭素」は生き残りをかけた経営課題となっています。

面白いことに、環境への取り組みは今や「コスト」ではなく「投資」と捉えられています。特にZ世代などの若者は、企業の環境姿勢を就職先選びの重要な基準にしているため、脱炭素経営は人材確保=企業の存続に直結する重要なファクターとなっているのです。
発注者支援業務でカーボンニュートラルを推奨を示唆する画像

発注者が求める新しいスキル:二酸化炭素をどれだけ減らせたか計算する力

「環境に配慮しています」という精神論だけでは、プロの仕事とは言えません。2026年の発注者(役所や大手デベロッパー)が求めているのは、具体的な数値です。つまり、CO₂排出量を正確に「測る(算定する)」スキルが、発注者支援業務における必須能力となっているのです。

「測る」能力の必須化:LCAとサプライチェーン排出量

建設分野では、建物を建てて終わりではなく、その後の運用や解体まで含めた「ライフサイクルカーボン(LCA)」の視点が重要視されています。

身につけるべき視点(Scope管理):企業活動の排出量は、以下の3つの区分(Scope)で管理するのが標準です。
  • Scope1:重機の軽油使用などによる直接排出。
  • Scope2:現場事務所で購入した電気などの間接排出。
  • Scope3:資材の製造や工事外注、建物引き渡し後の使用による排出。
特に建設業では、Scope3の割合が非常に高いため、ここをいかに「見える化」し、削減提案できるかが、あなたの評価を決定づけると言っても過言ではありません。2024年に公表された「J-CAT」などのLCA算定ツールを使いこなす能力は、もはや読み書きそろばんと同じレベルの基礎教養です。

建設現場におけるCO₂排出量算定マニュアル

では、具体的に現場で何をすればよいのでしょうか?国土交通省は、施工段階におけるCO₂排出量を把握するための算定マニュアルを整備しています。現場代理人や発注者支援業務の担当者は、以下の計算式を頭に叩き込んでおく必要があります。
排出量 = 活動量 × 排出原単位

▶ 活動量
工事で実際に使った量のこと。 例:軽油の使用量(L)、電力使用量(kWh)、資材の使用量(t)などを 日々の工事日報から正確に集計します。

▶ 排出原単位
「軽油1LでどれくらいCO₂が出るか」といった排出係数のこと。 環境省や国立環境研究所(IDEAなど)の公式データを使って計算します。

これらを計算し、「標準的な工法と比べて、これだけ削減できました」と発注者にエビデンス付きで提示できる提案力が求められています。

中小企業でも使える簡易ツールの普及

「難しそう…」と身構える必要はありません。専門知識がなくても使える簡易ツールが普及しています。
◇CO₂チェックシート(日本商工会議所):レシート等の数値を入力するだけで概算が可能。 ◇EEGS(省エネ法・温対法・フロン法電子報告システム):環境省が提供するシステムで、排出量の推移を可視化できる。
これらのツールを駆使して自社のデータを「見える化」し、発注者や元請けに提出できるかどうかが、信頼獲得の第一歩となるでしょう。
発注者支援業務でCO₂を減らすことを考える施工管理

資格より大事な「最新トレンド感」:2026年に注目されている環境配慮型コンクリートや工法の知識

もちろん、施工管理技士などの資格は大切です。しかし2026年の現場では、従来の「品質・工程・安全・原価」に加え、「環境(CO₂削減)」が第5の管理指標として完全に定着しています。資格を持っていても、最新のGX技術を知らなければ、現場の指揮は執れません。

「材料」の革命:低炭素型コンクリートと木材利用

建設資材の中で、CO₂排出の「悪役」とされがちなのがコンクリート(セメント)です。しかし今、ここには技術革新の波が押し寄せています。

低炭素型コンクリートが台頭し、セメント製造時のCO₂を減らすため、高炉スラグ(製鉄の副産物)などに置き換えた「混合セメント」や、なんとCO₂を吸収して固める「カーボンリサイクルコンクリート」まで登場しています。
  • T-eConcrete(大成建設):CO₂排出量を実質ゼロ以下(マイナス)にする技術も開発されています。
  • スラグリート(戸田建設・西松建設):高炉スラグ微粉末を大量に使用し、大幅な削減を実現しています。
また、木材の積極利用(ウッド・チェンジ)は「燃エンウッド(竹中工務店)」のように、耐火技術の進化により、都市部の中高層ビルでも木造化が可能になりました。木材は炭素を貯め込むため、鉄やコンクリートに代わる「環境のエース」として推奨されています。

「施工」の革命:ICT施工と電動化

施工段階でのCO₂削減のカギは、「効率化」と「電動化」です。

ICT施工(i-Construction)の真価、例えば、ドローン測量やICT建機は、単に便利なだけではありません。作業時間を短縮し、重機の稼働時間を減らすことで、燃料消費を抑えCO₂を削減する「環境技術」なのです。

すでに、ICT土工の活用で、約33%の工期短縮効果が確認されており、2025年度からは国交省発注の土工等でICT施工が原則化され、2026年では使えて当たり前のスキルとなっています。
工事監督支援業務におけるDXやICT活用の最新トレンドに関しての詳細はこちらの記事をご覧ください。

現場の重機も、ディーゼルから電動(バッテリー式、有線式)や水素燃料電池へとシフトしています。電動ショベルの導入は、Scope1(直接排出)の削減に直結するわかりやすいアプローチです。
デジタル技術を活用した施工管理のスキルアップに関しての詳細はこちらの記事をご覧ください。

建築物の省エネ化:ZEB・ZEHの標準化

建物そのものの性能も問われます。エネルギー消費実質ゼロを目指すZEB(ビル)やZEH(住宅)は、2030年目標に向けて標準化が進んでおり、2026年はその過渡期として規制が強化されています。

設計段階からこれらの資材や工法を提案し、現場の施工計画に落とし込む「目利き力」こそが、これからの現場監督や発注者支援技術者に求められる真のスキルなのです。
CO₂あふれる建築を示唆した画像

「環境に詳しい人」は市場価値が爆上がり:転職市場で選ばれるためのポートフォリオの作り方

ここまでの話で、「環境スキル」の重要性は理解できたかと思います。では、それをどうやって自分のキャリア(市場価値)に結びつけるのでしょうか?

「環境×建設」の希少性

建設業界は慢性的な人材不足ですが、特に「環境対応(GX)」の実務経験を持つ人材は極めて希少です。発注者である行政職員も、膨大な環境施策への対応に追われています。そんな中、環境基準への適合チェックができたり、具体的なCO₂削減提案ができたりする技術者がいれば、喉から手が出るほど欲しい「即戦力」として厚遇されるのは間違いありません。

市場価値を高めるために押さえておきたい資格に関しての詳細はこちらの記事をご覧ください。

評価される実績・ポートフォリオの要素

転職やキャリアアップを狙うなら、職務経歴書に以下の要素を盛り込みましょう。抽象的な言葉ではなく、具体的な数字で語ることがポイントです。
定量的な削減実績
  • ・ICT施工導入で工期を〇%短縮し、CO₂を約〇t削減
  • ・排出量算定ツールで現場のCO₂を見える化・管理
新技術の導入経験
  • ・低炭素型コンクリートの使用を提案し採用
  • ・電動建機導入に向け充電インフラ配置を計画
環境マネジメント能力
  • ・産業廃棄物のリサイクル率向上を実現
  • ・地域向け環境配慮説明・SDGs広報を実施

脱炭素経営を支えるキーパーソンへの道

企業が脱炭素経営を進める上で、現場のデータを収集し改善できる人材は、将来の幹部候補です。中小建設会社では、「SBT認定」の取得や「再エネ100宣言」への参加を推進する実務担当者が必要ですし、環境に配慮した企業ブランディングはZ世代の採用にも直結します。あなたは単なる技術者ではなく、経営を支えるキーパーソンになれるのです。
環境スキルのポートフォリオに載る施工管理

まとめ:地球を守るヒーローになれる!発注者支援の新しいカタチ

2026年、建設業は「新3K(給与・休暇・希望)」に加え、「環境(Kankyo)」を守る産業へと進化を遂げました。
これまでの発注者支援業務は、図面チェックや監督補助がメインでしたが、これからは「環境目標の達成支援」という重要なミッションが加わります。
  • 現場で排出されるCO₂をモニタリングする。
  • グリーンインフラの視点を取り入れた提案を行う。
  • 災害に強く、環境負荷の低いインフラ整備を支える。
これらは決して地味な裏方仕事ではありません。気候変動という地球規模の課題に立ち向かう、まさに「ヒーロー」としての役割なのです。
発注者支援業務の将来性やキャリアアップの方法に関しての詳細はこちらの記事をご覧ください。
未来へのアクション
これから建設業界で輝くために、今日からできる「ゼロカーボンアクション」を始めましょう。
  • 知る:最新のGX政策や技術トレンド(LCA、低炭素コンクリートなど)を常にキャッチアップする。
  • 測る:担当する業務でどれくらいエネルギーを使っているかに関心を持ち、数値化してみる。
  • 提案する:「もっとエコな方法はないか?」を常に考え、小さな改善から提案してみる。
「脱炭素・GX」の知識は、あなた自身を守り、キャリアを高く飛躍させる最強の武器(装備)となります。ただ図面通りに作るだけでなく、そのプロセスにある「環境価値」を創造できるプロフェッショナルとして、新しい時代の建設業をリードしていってください。

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